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開催日:2021年3月7日(日)

会場:浜松アリーナ

TEXT & PHOTO :橋爪 充

 

静岡県浜松市の浜松アリーナで行われた第26回全日本フットサル選手権決勝、トルエーラ柏対フウガドールすみだは延長戦の末5対1で柏が勝利し、初優勝を決めた。F2チームが全日本選手権で優勝するのは初めて。

退任を表明した須賀雄大監督の最後の試合となるすみだと、浦安、名古屋、大分のF1チームをなで斬りにした、〝智将〟岡山孝介監督率いる柏の対戦だった。

2セットでやりくりするすみだはスターティングのピヴォ森村孝志を、途中からセカンドセットに入れ込み、諸江剣語、北村弘樹のフィクソ2人がそれぞれのセットを統御する。

柏も2セット態勢。ファーストセットのピヴォ野村啓介がサイドに降りてボールを受けるシーンが目立つ。フィクソのサカイ ダニエル ユウジが積極的に前に出る。時間が進むにつれて、右サイド深くに長いボールを多用。すみだのディフェンスの押し下げに努めた。

 

前半はスコアレス。後半に先手を取ったのは柏だった。27分、ペナルティーエリア周辺に顔を出したサカイがマーカー2人に囲まれながらもボールキープし、反転シュートを決めた。

後半からピヴォにガリンシャを起用するすみだだが、寄せの速い柏のディフェンスに苦しむ。1点ビハインドのまま時計は進む。

すみだは事態の打開を狙って残り4分から中田秀人をゴレイロに据えたパワープレーを開始。37分、扇の要の位置でボールを保持した鬼塚祥慶が右足を一閃すると、左ポスト脇のDFに当たってゴールに吸い込まれる。これで同点。すみだは苦しんだゲームを延長戦に持ち込んだ。

 

前後半5分ずつの延長戦。42分、左サイドの強いキックインが大外で待ち構える佐藤建也の足元に抜ける。これを佐藤がしっかりモノにし、柏が勝ち越した。すみだはこの直前、ゴール前のFKでガリンシャのシュートがバーに当たるなど、得点の予感があっただけに、ダメージが大きかった。

すみだは後半開始直後から再びパワープレーを開始。だが、寄せが厳しい柏の守備網をなかなか突き破れない。

柏は残り2分から内野脩麻のパワープレー返しなどで3点を追加。すみだの息の根を止めた。

 

最終的な点差は開いたが、実質的には2対1のゲームだった。前後半を通じて、2チームが少しだけ相手を上回る時間帯が交互に訪れた。綱引きの中心点が、ほんの数センチずつ左右を行ったり来たりする。そんな印象だった。リーグ戦では顔を合わせることがなかった2チームが、お互いに存在証明をぶつけ合った、魂の入った一戦だった。

 

 

▼トルエーラ柏 5-1 フウガドールすみだ

27分 サカイ ダニエル ユウジ(柏)1-0

37分 鬼塚祥慶(すみだ)1-1

42分 佐藤建也(柏)2-1

48分 内野脩麻(柏)3-1

49分 佐藤建也(柏)4-1

49分 岩永 汰紀(柏)5-1

 

 

▼トルエーラ柏・岡山孝介監督

―日本一になった感想を。

非常にうれしい。選手たちに恵まれて、ここに連れてきてもらったような気分。選手たちに感謝している。

 

―来週の入れ替え戦に向けて得たことは。

慢心が一番怖いが、選手たちは(全日本選手権で)名古屋に勝った後も変わらなかったし、初戦、2戦目のカテゴリーが下の相手でも最善の準備をして出し切ってくれた。心配はしていない。

 

―ベテランの活躍はどう映っているか。

成長していると思う。僕が町田や浦安でやっていたときも、しっかりトレーニングを積んでいる選手は成長している。探究心をもって練習に励めばまだまだ上達できる。フットサルはそういうスポーツだとおもっている。彼らのあくなき探究心を若い選手たちが手本にして練習に励んでいる。

 

▼トルエーラ柏・中村友亮選手

―今日の試合、大会を振り返って感じたことは。

大会に向けてやってきたこと、積み上げてきたきたものを2回戦からできていた。自分たちのフットサルをやれていることには自信があった。一体感があったと思う。個人としては、前からディフェンスするスタイルなので、スイッチ役としての役割がうまくできた。

 

―キャリアの中でもかなり良い状態ではないか。

ことしは練習、コロナの影響でできなかったが、チームからいろいろなメニューをもらって、意識高くみんなやってきた。良い入りができた。チームが全員100%120%だす。みんなやってきた。練習から充実した1年だと思う。

 

―出身地でもある静岡県、しかも前所属の本拠地でもある浜松で輝かしい結果を得たことについての思いは。

本当ならこの大会は東京で開催されるところ。いろいろな状況で準決勝、決勝を浜松アリーナでやることになった。そして自分たちが勝ち上がって、浜松アリーナでプレーさせてもらえた。気持ちの高まる部分があった。いい結果も出て、充実した大会になった。

 

▼トルエーラ柏・サカイ ダニエル ユウジ選手

―今日の試合の感想は。

チームとして良い準備をし、良い戦いができた。

 

―準決勝と比較して、前線に出る場面が多かったように感じたが。

昨日のゲームは自分のコンディションに不安要素があった。痛みがあったが試合をこなした。今日は痛みがましになっていたので、攻撃できるところは攻撃しようと思った。コンディションの面で、今日の方が動きやすかった。

 

―今シーズンのプレーに対する感触は

岡山監督とは町田時代からプレーさせてもらって、やりたいフットサルが把握できていたことが、今シーズンの自分のパフォーマンスに直結した。ハードワークする中で、自分の長所がチームメートに分かってもらえた。リーグ、全日本で優勝できた。残りの入れ替え戦も良い準備をして、力を振り絞ってやっていきたい。

 

▼フウガドールすみだ・須賀雄大監督コメント

―試合を総括すると。

柏は浦安そして名古屋、大分というチームを連続で勝ち抜いたチーム。Fリーグで名古屋大分の連戦を連勝できるチームがどれだけあるだろうか。リスペクトされるべき実績だ。ただ、リスペクトして戦うことで、彼らに違う戦い方をさせられると思って(ゲームに臨んだ)。4枚のボール回しに粘り強く対応していくことで、いつもと違うゲーム展開をさせることが狙いだった。(すみだの)選手には難しいタスクを与えたが、それをこなしてくれた。素晴らしい選手たちだった。

 

―けがをしている諸江選手、ガリンシャ選手が長い時間起用されていた。選手起用の狙いは。

基本的には粘り強く、我慢強く戦う(ことがプランだった)。相手の4-0の戦術に対して、ピヴォが張ってこない時間帯はアクティブな守備ができる諸江をつかった。相手ピヴォの野村選手はセンターで張るだけでなく下りてきて4枚でボール回しができる。そこにしっかりプレッシャーをかけたいと思った。(そうした状況で)自分が決断したのが諸江、北村だったということだ。諸江はけがを抱えてはいたが、それを上回る気迫で試合に臨んでいた。北村は失点にかかわったが、これからのフウガを背負うフィクソになるだろう。

 

―柏対策は。

対戦が昨日決まったので、特別な対策はしていない。自分たちは自分たちの戦い方を構築してきた。Fリーグにはいろいろなハイレベルなチームがあり、このチームにはこの戦い方という経験値がたまっていく。柏との対戦でも当たり、自分たちの引き出しから戦い方を引き出すことができた。トレーニングの経験値があったから対応できたと思う。選手がプランを遂行するインテリジェンス、自己犠牲心があることが前提。そこは素晴らしかった。

 

▼フウガドールすみだ・諸江剣語選手

―柏の印象は。

優勝にふさわしいチームだと思った。最強の相手ということはやる前からわかっていた。実際に戦ってチャンピオンにふさわしいチームだったと(感じた)。

 

―拮抗したゲームの中で先に失点した。どういう心境だったか。

(すみだも)チャンスが作れていたし、やり続けようと思った。必ずチャンスは来る、決めるだけだと話していた。実際に追いつくことができて延長になった。相手のセットプレーの(守備では)集中はしていたが、まだまだ力が足りなかった。今までなら、あそこは止めることができたはず。単純に力がなかった。

 

―すみだのほうがプレッシャーが強かったか。

立ち上がりは柏のプレッシャーが強く、押し込まれた時間も多かったが、後半の最後や延長に関しては、こちらの時間もあったしチャンスも作れていた。フリーキックでガリンシャがバーに当てたシーンもあった。紙一重だったが、勝てなかったということは、力が足りなかったのだろう。柏がチャンピオンにふさわしいチームだった。

 

▼フウガドールすみだ・鬼塚祥慶選手

―今シーズンは中心選手として戦った。個人として、チームとして1年の感想を。

個人としてはゴールを挙げることもできたが、それ以外に貢献できるところもあると思う。来シーズンに向けて、そういうところを突き詰めていかなくてはいけない。

 

―同点ゴールのシーン。シュートを決断した経過は。

相手ディフェンスが引いている状況だったので、後ろから狙えると思った。シュートパスのような形でセグンドに向かって思い切って蹴りこんだ。

 

―今シーズンの自分の成長をどう感じているか。

シーズンを通してプレーするという目標は達成できた。これからはシーズンを通して良いコンディションを維持してプレーしていかないと。代表に選ばれるためにも、もっともっと出場時間を長くし、活躍したい。

 

開催日:2021年3月6日(土)
会場:浜松アリーナ
TEXT & PHOTO :橋爪 充

2021年3月6日に静岡県浜松市の浜松アリーナで行われた第26回全日本フットサル選手権準決勝第2試合、ペスカドーラ町田対フウガドールすみだは2対2のドローだった。前後半5分ずつの延長戦を終えてもスコアは動かず、PK戦を行った。4対3ですみだが制し、7日の決勝への進出を決めた。

球際の激しいバトルと、積極的な仕掛けが際立った一戦。先手を取ったのはすみだだった。8分、町田陣左サイドのキックインを宮崎曉がファーで沈めた。
以後はおおむね町田ペース。毛利元亮、本石猛裕という屈強なピヴォ2枚が前線でしっかりボールを収め、ライン際では伊藤圭汰、中村充、高橋裕大らがリスクを冒して積極的に仕掛けてくる。毛利の反転シュートが2度ポストをたたくなど、スコアとは裏腹に町田が優勢に進めた。

1対0すみだリードで折り返した後半も、町田の攻勢が続いた。すみだは前半の3セットを組み替えた2セットで対応。フィクソの諸江剣語を中心に、確実なシュートブロックでゴールを割らせない。ゴレイロ大黒章太郎のビッグセーブも目立った。
耐え忍ぶ展開が続いたすみだだったが34分、数少ないチャンスをものにする。前半と同じように強いキックインからファーで栗本博生が合わせた。

1点の重みがのしかかる町田は残り4分半から毛利をゴレイロに据えたパワープレーを開始。最後尾のヴィニシウスが左右に強いパスを供給し、すみだのDFをほんろうした。
38分、毛利がマーカーを中に引っ張ったことで本石が左サイドでフリーに。中村からの斜めのパスを落ち着いて決めた。
残り1分を切っても町田の勢いは衰えなかった。相手陣でのリスタートから毛利が前に突進。ファーサイドめがけたシュートパスが、マーカーに当たって浮き球になったところを、ヴィニシウスが左足ボレーで決めた。

延長戦はお互いに決定機が1度ずつ。町田は前半3分、右サイドでヴィニシウスの縦パスを受けた中村がシュートを放つもサイドネット。すみだも前半4分、北村弘樹のドリブルからペナルティエリア内で岡村康平が左足ボレーで狙ったが、町田ゴレイロ・イゴールに阻まれた。

PK戦は、3対3で迎えた5人目で勝負が決まった。町田金山友紀のシュートが左ポストに嫌われた。

決勝進出が決まったすみだの須賀雄大監督は「トランジション(攻守の切り替え)で優位に立てるかで景色が変わってくると思っていた」と試合のポイントを振り返った。「2失点は想像していないような形だった。ある程度仕方がない。イゴールに対して、いかに失点を少なく終盤を迎えられるかがポイントだった」とし、失点0で持ちこたえた時間を評価した。
町田のルイス・ベルナット監督は「前半はピヴォを起点にするプラン。決定機は作れていたが、ゴールが遠かった。相手のセットプレーで集中を切らして失点してしまったことが残念」と述べた。

▼ペスカドーラ町田2-2 フウガドールすみだ
8分 宮崎曉(すみだ)1-0
34分 栗本博生(すみだ)2-0
39分 本石猛裕(町田)2-1
40分 クレパウジ ヴィニシウス(町田)2-2

開催日:2021年3月6日(土)
会場:浜松アリーナ
TEXT & PHOTO :橋爪 充

2021年3月6日に静岡県浜松市の浜松アリーナで行われた第26回全日本フットサル選手権準決勝第1試合、トルエーラ柏対バサジィ大分は6対5で柏が勝利した。F2リーグの柏は浦安、名古屋に続くF1クラブ撃破。7日の決勝で初優勝を目指す。

キックオフ直後から運動量で上回る柏は2分、相手陣で横パスをさらった内野脩麻が自ら決めて先制。8分に佐藤建也が追加点、12分にはゴレイロ岩永汰紀のスローを前線の中村友亮がフリーで受けて独走し、3点目を挙げた。
「経験のある選手が少なく、立ち上がりは若い選手があがってしまった」(吉田圭吾)という大分は、ポジショニングやマークのずれが目立ち、柏の速攻にさらされてしまった。
4点のビハインドから吉田のヘッド、滝澤の個人技によるシュートが決まって2点差に詰めたものの、全体的に単調なパス回しに終始。前半は4対2柏リードで終えた。

後半も先手を取ったのは柏。ペナルティエリア左からのFKを白方秀和が決めた。準々決勝の名古屋戦は警告累積で出場停止だった白方。「スタンドで見ていたが、みんな輝いていた。(準決勝に)連れてきてもらったみんなに少しでも恩返しできたらという気持ち」だった。

大分は残り7分、3対6の局面からパワープレーを開始。仁部屋和弘にゴレイロのユニフォームを着せ、左ポスト脇の小曽戸允哉を狙った。35分に小門勇太、37分に森洸が決めて1点差にまで詰め寄るが、反撃もここまで。柏が逃げ切った。

柏の岡山孝介監督は「パスラインをいかに断つか、ピヴォにボールが入った時にいかに反転させないかが大分戦の焦点だった」と明かした。攻撃のバリエーションの豊富さを勝因に挙げ、「明日も今までどおりしっかり楽しんで頑張りたい」とチームの雰囲気を重視する姿勢を見せた。

惜しくも準決勝敗退となった大分の伊藤雅範監督は「相手が素晴らしいチームだった。それが何より」と柏をたたえた。「いい試合ができた。選手はベストを尽くしてくれた。さらに強くなって全日本選手権やFリーグの舞台に帰ってきたい」と述べ、来季を期した。

▼トルエーラ柏6-5 バサジィ大分
2分 内野脩麻(柏)1-0
8分 佐藤建也(柏)2-0
12分 中村友亮(柏)3-0
13分 熊谷利紀(柏)4-0
14分 吉田圭吾(大分)4-1
17分 瀧澤太将(大分)4-2
22分 白方秀和(柏)5-2
28分 オウンゴール(柏)6-2
30分 吉田圭吾(大分)6-3
35分 小門勇太(大分)6-4
37分 森洸(大分)6-5

開催日:2020年10月17日(土)

会 場:さわやかアリーナ、袋井市総合体育館

TEXT & PHOTO :橋爪 充

 

2020年10月17日に静岡県袋井市のさわやかアリーナ袋井市総合体育館で行われたFリーグ2020/2021ディビジョン2第3節、アグレミーナ浜松対ポルセイド浜田は9対2で浜松が勝利した。浜松は今季2勝目。浜田は3連敗ながら、後半だけなら2対1で相手を上回った。お互いに手応えと課題を得た一戦だった。

 

前節はトルエーラ柏に1対6で完敗した浜松。田中智基が「(山元優典コーチに)1週間、相当走らされた」と振り返るほど強度の高いトレーニングを経て、ゲームに臨んだ。
柏戦までの2戦から、スタートのメンバーを2人入れ替えた。今季加入の霜出聖也は古巣対決。「特に意識してはいなかった」と本人は言うが、山元コーチは「テンションを挙げてくれる」と期待を込めてピッチに送り出した。ゴレイロにはコンディションを上げた岡島工が起用された。

 

浜松は序盤から主導権を握った。鷲北一輝、萩原洪拓、山桐正護、霜出のFP4人がピッチの幅を広く使ってボールを回す。浜田は三浦祐人、布田有祐、道岡昌弘、松山尚輝がセンターサークルより低い位置に下がってダイヤモンドの陣形で守る。「試合間隔が短く、前節でけが人が2人出たため、(けがのリスクを負う)ハードワークをさせたくなかった」(山本尚希監督)との意図だった。

 

先制は浜松。右サイドのコーナー付近で得たキックインから、霜出が蹴り込んだ。「セットプレーの練習通り」(霜出)という、意図された動きで取ったゴールに浜松は勢いづく。4分には右CKから田中が左足で見事なダイレクトボレーを決める。5分には逆のCKから須藤慎一が蹴り込む。
浜田はボールサイドの反対側に空くスペースを使われ、防戦一方。相手のボールホルダーへの寄せが一歩遅いのは、前日に島根と浜松をバスで移動した影響があったかもしれない。

 

浜松はその後も着々と加点。クアトロシステムから左に流れたピヴォに縦パスを入れ、ダイアゴナルの動きで相手の中央のスペースに起点をつくる。12分の山桐の反転シュートによる得点はまさにその形だった。13分には最終ラインの裏を取った松本行令が田中からのピンポイントパスを点で合わせてゴール。浜松は自在な動きで浜田を翻弄し、前半だけで8点を奪った。

 

大量リードを許した浜田だったが、決してあきらめモードには陥らなかった。7点目を取られた後の14分ごろから高橋英也、中川智貴を投入し、前線の2枚がボールを追い始める。
後半はこの戦術が機能。2セットを2分未満で入れ替え、連動したプレスで浜松のパスを寸断する。相手のちょっとしたパスのずれを狙ってボールを奪い、後半は2点を返した。逆転の気配はさすがに漂わなかったが、浜松遠征でチームとしての強度を高めたいという強い意欲は伝わった。

 

9対2というスコア。浜松は無観客だった今季の初ホームゲームを大勝で飾った。山桐はハットトリックを達成した。広島、神戸、柏と続く上位対決に弾みが付いたが、後半は勢いが落ちた。すでに1敗を喫しているため、F1昇格のためには得失点差が鍵を握る可能性がある。後半が1得点のみだったこと、2失点を喫したことを糧としたい。

 

▼アグレミーナ浜松9-2 ポルセイド浜田
3分 霜出聖也(浜松)1-0
4分 田中智基(浜松)2-0
5分 須藤慎一(浜松)3-0
9分 中村章(浜松)4-0
12分 山桐正護(浜松)5-0
12分 田中智基(浜松)6-0
13分 松本行令(浜松)7-0
20分 山桐正護(浜松)8-0
27分 山桐正護(浜松)9-0
35分 高橋英也(浜田)9-1
36分 布田有祐(浜田)9-2

 

▼アグレミーナ浜松・山元優典コーチコメント
-ゲームを振り返って。
「前半は100点に近いほど良かった。相手のやり方がハーフで下がってくれて、やりやすかった。前から来たときにゲームのリズムがつかめなかった。勝てて良かった」
-スタメンを変更した意図は。
「(霜出は)古巣とやるときはモチベーションも上がるのでスタートから出した。(岡島は)けがもあったので(1、2節は)伊名野を使ったが、GKコーチとも話しながら、岡島の調子が上がってきたので使った」
-霜出の評価は。
「普段からひょうひょうといいプレーをしてくれている。あとは経験と自信。きょうは自信になっただろう。次も期待したい」

 

▼アグレミーナ浜松・鷲北一輝選手コメント
-ゲームを振り返って。
「ここ最近、立ち上がりで失点していた。きょうは先制点でいい形では入れたが、後半だけ見れば負けている試合。点差がついたときも、後半からもっと点をとらなくては」
-相手の戦術変更に対応できなかった要因は。
「気持ちの部分が一番大きい。点差が付いてもゆるめてはいけない。切り替えのところも、プレーがちょっと軽くなっていた。意識の問題だと思う。もっと点を取らなくて行けなかったし、取られてはいけなかった」

 

▼ポルセイド浜田・山本尚希監督コメント
-試合を振り返って。
「前半はシステム設定でミスをしてしまった。後半、よく選手たちが切り替えてくれた。後半だけなら2対1。チームの特徴や選手の個性を引き出さなくてはいけない試合だった。選手たちの底力を感じた。ぼくの勉強不足。采配ミスです。」
-移動の負担は大きかったのではないか。
「前泊して試合に臨んだ。島根はどこからも時間がかかる。負荷が違う。袋井へは8時間かけての到着だった」
-引いた守備の意図は。
「試合間隔が短く、けが人が前節に2人出てしまった。高い位置のプレスに自信があったが、これ以上のけが人が出るハードワークをさせたくなかった。技術がある浜松の選手たちを相手に、ハーフで守ったときの手応えを感じてもらいたかったという意図もある。サイドの受け渡しがうまくいかなかったときに逆の高い位置でフリーが発生してしまった。トレーニングから伝えていたことだったが、選手が不安を抱えたまま試合に臨んでしまった。いい準備をさせてあげられなかった」
-前半の最後から後半にかけて、高い位置のプレスが機能していた。序盤からあの戦術でゲームを進めることはできなかったか。
「コンディションがよくなかった中で、選手がよく頑張ってくれた。よく走ってくれたと思う。前半からやらせてもできたかもしれない。ぼくが選手のことをもっと把握しなくてはいけなかった。采配ミスですね」

2019年9月14日に静岡市清水区の清水総合運動場体育館で行われたFリーグ2019/2020ディビジョン2第7節、アグレミーナ浜松対広島エフ・ドゥは4対2で広島が勝利した。浜松は同会場での初開催を白星で飾れず、リーグ前半を4勝3敗で折り返した。広島は15日開催の横浜対北九州の結果を受けて、2位北九州から勝ち点1差の3位につけた。

 

「良い時間帯の追加点」の重要性を実感させられる浜松の敗戦だった。浜松は立ち上がりから主導権を握り、5分に野嶋倫の左サイド縦突破から中の磯田剛志が決めて先制。その後もプレスラインが定まらない広島の2セットを相手に、軽快にボールを回した。

 

10分前後には鷲北一輝、中村友亮、山元優典、日永田祐作のセットが良い距離感でパス交換しながらチャンスを作り、2度の決定機を迎えた。だが、ここで浜松の前に立ちふさがったのが広島のゴレイロ尾関潤だった。的確なポジショニングと反応の鋭さでシュートをはじき、追加点を与えない。試合を終えて振り返れば、この二つのシーンと、16分の中村友亮のカウンター独走からのシュートが右に外れた場面のうち一つでも決まっていれば、浜松は楽にゲームを進められただろう。

 

こうした展開になると、我慢を重ねた側に流れが傾くのが、フットサルの常。広島は前半の終盤までほとんど決定機が作れなかったが、18分に佐々木諒のミドルシュートが決まり、追いついた。広島は、ファーストセットの富廣洋平、セカンドセットの永井聡の両ピヴォに早めに当てる攻撃を執拗に繰り返していた。同点の場面は右サイドに流れた富廣がキープし、中央の佐々木がノーマークでシュートを打った。浜松はピヴォへのマークは厳重だったが、この場面ではハーフラインを超えたあたりまで進出したフィクソ佐々木への対応が緩かった。

 

後半は取って取られてで2対2に。緊迫した空気が館内に充満し、非常に良い雰囲気だった。試合が決したのは35分。広島は左CKを三島光太郎がニアに蹴りこみ、武田侑也がゴレイロの前で触ってゴールを陥れた。浜松のマンマークの虚を突いた、広島にしてみれば「してやったり」の勝ち越し点だった。

浜松はすかさず須藤慎一をゴレイロに据えてパワープレーに出るが、淡々としたパス回しに終始し、広島のDFの穴を見つけることができない。4対2で広島が逆転勝ちを収めた。

 

ともにFリーグで選手として活躍し、日本代表経験もある浜松・豊島明監督、広島・村上哲哉監督の対戦だったが、アウエーチームを率いた村上監督に軍配が上がった。

広島は5勝2敗で折り返し、2位北九州に肉薄した。村上監督は「選手、監督ともに引き出しは多くないが、自分たちのスタイルを貫いて戦いたい」と後半戦を見据え、F1昇格にも意欲を示した。

浜松は4勝3敗。惜敗が続く前半戦を踏まえ、豊島監督は「これで終わりではない。立ち上がる気持ちを強く持って戦いたい」と巻き返しを誓った。

 

▼広島エフ・ドゥ 4-2 アグレミーナ浜松

5分 磯田剛志(浜松)0-1

18分 佐々木諒(広島)1-1

27分 オウンゴール(広島)1-2

31分 山桐正護(浜松)2-2

35分 武田侑也(広島)3-2

37分 永井聡(広島)4-2

 

▼アグレミーナ浜松・豊島明監督コメント

-ゲームを振り返って。

「立ち上がり、先制したところまではよかったが、そこから追加点を奪えなかった。ギアを上げた時間帯に追加点を取れず、オウンゴールで悪い流れを引き込んでしまった」

-前半に追加点が取れなかった要因は。

「ポイントはセットプレーだった。フィールドできれいに崩しきるのはなかなか難しい。接戦では特にセットプレーが重要だった。相手は2本決めて、こちらは決めきれなかった。パワープレーの失点は、引き分けではだめだったので仕方がない。対策はしていたが、スカウティング以外の部分で対応が足りなかった」

-後半は、相手のピヴォ2枚に縦パスがよく入れられていた。

「前を向かれてシュートを打たれていなかったが、確かにボールは収まっていて、嫌なところではあった」

-リーグ前半を終えて4勝3敗。この結果については。

「自力優勝が厳しくなったと認識している。だがこれで終わりではない。ここから立ち上がる気持ち、自分たちの目標としているところにどれだけ近づけたいかという気持ちの勝負だと思う。(敗れた)横浜戦、北九州戦も、シュートがうてずにゲームを落としているわけではない。ゲームを決めに行くという強い気持ちと冷静さが必要だ。後半戦も、勝負を決めるゴールを貪欲に、アグレッシブに狙っていく」

 

▼アグレミーナ浜松・中村友亮選手コメント

-ゲームを振り返って。

「先制して、追い付かれて、逆転され、同点に追いついたところまでは良かった。いい流れもあったが、相手はセットプレーを2本決めてきた。同じ形からやられている。ちょっとしたコミュニケーションのずれが原因だ。特に3失点目は、その前の失点と同じ形だったので、守りのコミュニケーションが取れていればという悔いが残る」

-リーグの折り返しの一戦。前半7試合を振り返っての感想は。

「勝負弱い。接戦で勝てない。(1部から降格したチームということで)相手はどこも向かってくる。(こちらも)絶対に負けないという強い気持ちがあるが、力が入りすぎてフィニッシュの精度が下がっているように感じる。もっと冷静に打たなくては。チームとして、こういうプレッシャーでゲームをやりなれていないところもある。開幕時の目標は全勝優勝だったが、前半の結果を踏まえて、後半は目の前の試合に集中して戦いたい」

 

▼広島エフ・ドゥ・村上哲哉監督コメント

-勝ち点12で並ぶチーム同士の対戦。試合前は選手にどんな指示をしたか。

「過去は変えられないが、未来は変えられる、という話をした。1巡目最後の試合でコンディションの不安もあったが、選手は高いモチベーションで乗り越えてくれた。成長を感じた一戦だった」

-押し込まれた前半に比べて、後半はピヴォにボールが収まり、ペースを握れていた。

「シンプルに裏に蹴っていくということを徹底するという点では、やり方は変えていない。後半はそれをきちんとそれを体現してくれたということだと思う。前半に追いついたタイミング、後半に自分たちのやり方で逆転できたこと。全てがパーフェクトだった」

-リーグの折り返しで勝ち点15。開幕前の予測と目標と比較して、この結果をどうとらえるか。

「横浜、北九州、浜松との試合がカギになってくると思っていた。このうち、横浜と北九州の試合はホームだったので、最低限でも勝ち点1を得るつもりだったが、かなわなかった。きょうの浜松との試合で勝ち点3を取れたのは、そうした意味でも大きい。選手も自分も経験値が高くないので、スタイルのバリエーションは多くない。自分たちのやり方を徹底して後半戦を戦いたい」

 

▼広島エフ・ドゥ・三島光太郎選手コメント

-3点目のシーンを振り返って。

「ハーフタイムに、浜松のマンツーマンを外すために、キーパーの前で(ボールに)触ろうと話をしていた。それがうまく行った」

-前半は押し込まれたが、後半はペースを握っていた。

「今までは、試合の途中でうまく行かないとイライラすることもあった。だが今日は、自分たちを信じて最後までゲームができた。これまでのリーグ戦ではできなかった試合だ」

-リーグの後半戦をどう戦うか。

「最初の試合の相手である柏は、かなり戦力補強している。1戦目とは違った展開になるだろう。油断せずに戦いたい。上位の横浜、北九州との対戦は、自分たちのスタイルをしっかり出したい。ケガで離脱中の選手も戻ってくる。チーム全体で勝ち切りたい」

 

※TEXT & PHOTO :橋爪充