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開催日:2020年10月17日(土)

会 場:さわやかアリーナ、袋井市総合体育館

TEXT & PHOTO :橋爪 充

 

2020年10月17日に静岡県袋井市のさわやかアリーナ袋井市総合体育館で行われたFリーグ2020/2021ディビジョン2第3節、アグレミーナ浜松対ポルセイド浜田は9対2で浜松が勝利した。浜松は今季2勝目。浜田は3連敗ながら、後半だけなら2対1で相手を上回った。お互いに手応えと課題を得た一戦だった。

 

前節はトルエーラ柏に1対6で完敗した浜松。田中智基が「(山元優典コーチに)1週間、相当走らされた」と振り返るほど強度の高いトレーニングを経て、ゲームに臨んだ。
柏戦までの2戦から、スタートのメンバーを2人入れ替えた。今季加入の霜出聖也は古巣対決。「特に意識してはいなかった」と本人は言うが、山元コーチは「テンションを挙げてくれる」と期待を込めてピッチに送り出した。ゴレイロにはコンディションを上げた岡島工が起用された。

 

浜松は序盤から主導権を握った。鷲北一輝、萩原洪拓、山桐正護、霜出のFP4人がピッチの幅を広く使ってボールを回す。浜田は三浦祐人、布田有祐、道岡昌弘、松山尚輝がセンターサークルより低い位置に下がってダイヤモンドの陣形で守る。「試合間隔が短く、前節でけが人が2人出たため、(けがのリスクを負う)ハードワークをさせたくなかった」(山本尚希監督)との意図だった。

 

先制は浜松。右サイドのコーナー付近で得たキックインから、霜出が蹴り込んだ。「セットプレーの練習通り」(霜出)という、意図された動きで取ったゴールに浜松は勢いづく。4分には右CKから田中が左足で見事なダイレクトボレーを決める。5分には逆のCKから須藤慎一が蹴り込む。
浜田はボールサイドの反対側に空くスペースを使われ、防戦一方。相手のボールホルダーへの寄せが一歩遅いのは、前日に島根と浜松をバスで移動した影響があったかもしれない。

 

浜松はその後も着々と加点。クアトロシステムから左に流れたピヴォに縦パスを入れ、ダイアゴナルの動きで相手の中央のスペースに起点をつくる。12分の山桐の反転シュートによる得点はまさにその形だった。13分には最終ラインの裏を取った松本行令が田中からのピンポイントパスを点で合わせてゴール。浜松は自在な動きで浜田を翻弄し、前半だけで8点を奪った。

 

大量リードを許した浜田だったが、決してあきらめモードには陥らなかった。7点目を取られた後の14分ごろから高橋英也、中川智貴を投入し、前線の2枚がボールを追い始める。
後半はこの戦術が機能。2セットを2分未満で入れ替え、連動したプレスで浜松のパスを寸断する。相手のちょっとしたパスのずれを狙ってボールを奪い、後半は2点を返した。逆転の気配はさすがに漂わなかったが、浜松遠征でチームとしての強度を高めたいという強い意欲は伝わった。

 

9対2というスコア。浜松は無観客だった今季の初ホームゲームを大勝で飾った。山桐はハットトリックを達成した。広島、神戸、柏と続く上位対決に弾みが付いたが、後半は勢いが落ちた。すでに1敗を喫しているため、F1昇格のためには得失点差が鍵を握る可能性がある。後半が1得点のみだったこと、2失点を喫したことを糧としたい。

 

▼アグレミーナ浜松9-2 ポルセイド浜田
3分 霜出聖也(浜松)1-0
4分 田中智基(浜松)2-0
5分 須藤慎一(浜松)3-0
9分 中村章(浜松)4-0
12分 山桐正護(浜松)5-0
12分 田中智基(浜松)6-0
13分 松本行令(浜松)7-0
20分 山桐正護(浜松)8-0
27分 山桐正護(浜松)9-0
35分 高橋英也(浜田)9-1
36分 布田有祐(浜田)9-2

 

▼アグレミーナ浜松・山元優典コーチコメント
-ゲームを振り返って。
「前半は100点に近いほど良かった。相手のやり方がハーフで下がってくれて、やりやすかった。前から来たときにゲームのリズムがつかめなかった。勝てて良かった」
-スタメンを変更した意図は。
「(霜出は)古巣とやるときはモチベーションも上がるのでスタートから出した。(岡島は)けがもあったので(1、2節は)伊名野を使ったが、GKコーチとも話しながら、岡島の調子が上がってきたので使った」
-霜出の評価は。
「普段からひょうひょうといいプレーをしてくれている。あとは経験と自信。きょうは自信になっただろう。次も期待したい」

 

▼アグレミーナ浜松・鷲北一輝選手コメント
-ゲームを振り返って。
「ここ最近、立ち上がりで失点していた。きょうは先制点でいい形では入れたが、後半だけ見れば負けている試合。点差がついたときも、後半からもっと点をとらなくては」
-相手の戦術変更に対応できなかった要因は。
「気持ちの部分が一番大きい。点差が付いてもゆるめてはいけない。切り替えのところも、プレーがちょっと軽くなっていた。意識の問題だと思う。もっと点を取らなくて行けなかったし、取られてはいけなかった」

 

▼ポルセイド浜田・山本尚希監督コメント
-試合を振り返って。
「前半はシステム設定でミスをしてしまった。後半、よく選手たちが切り替えてくれた。後半だけなら2対1。チームの特徴や選手の個性を引き出さなくてはいけない試合だった。選手たちの底力を感じた。ぼくの勉強不足。采配ミスです。」
-移動の負担は大きかったのではないか。
「前泊して試合に臨んだ。島根はどこからも時間がかかる。負荷が違う。袋井へは8時間かけての到着だった」
-引いた守備の意図は。
「試合間隔が短く、けが人が前節に2人出てしまった。高い位置のプレスに自信があったが、これ以上のけが人が出るハードワークをさせたくなかった。技術がある浜松の選手たちを相手に、ハーフで守ったときの手応えを感じてもらいたかったという意図もある。サイドの受け渡しがうまくいかなかったときに逆の高い位置でフリーが発生してしまった。トレーニングから伝えていたことだったが、選手が不安を抱えたまま試合に臨んでしまった。いい準備をさせてあげられなかった」
-前半の最後から後半にかけて、高い位置のプレスが機能していた。序盤からあの戦術でゲームを進めることはできなかったか。
「コンディションがよくなかった中で、選手がよく頑張ってくれた。よく走ってくれたと思う。前半からやらせてもできたかもしれない。ぼくが選手のことをもっと把握しなくてはいけなかった。采配ミスですね」

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