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今季の東海リーグ開催会場で最も東に位置する富士市富士体育館。

静岡県内の浜松からでも移動距離100Kmを越える地域なので、県外から東海1部に参戦している3チームにとってはその移動距離、さらには台風12号による雨や道路事情など試合以外にも多くの気遣いをしなくてはいけない状況で各チームには大きなご苦労があったと思う。

そのような状況にもかかわらず1チームの到着遅れもなくこの第5節は消化された。

この日、第1試合から第3試合までは橋爪記者が会場入りし取材をされているが仕事の都合で第4試合には不在。
と言う事で、フットデ静岡では第4試合(女子の試合を1試合挟んではいるが。)のDELIZIA磐田 vs Emerson FCだけをレポートしたいと思う。

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▼DELIZIA磐田 4 vs 3 Emerson FC

この日の最終試合として予定されていたデリッツィアとエマーソンの一戦を振り返えるその前に・・・。

▲エマーソンの大石稜。元気な姿を見る事が出来、うれしく思ったことは言うまでもない。

▲エマーソンの大石稜。元気な姿を見る事が出来、うれしく思ったことは言うまでもない。

「男前になって帰ってきましたよ!」と明るく話すこの選手。前節で顔面に深刻なダメージを負ったエマーソンの大石稜選手が試合会場に元気な姿を見せてくれた。
前節からやや長めのインターバルがリーグ戦の消化に欠席することなく彼にプレーの機会を与えてくれた訳だが、それにしても回復が早い。
顔面の骨折の修復や止血処置のための手術は全て口の中から行ったそうで、見た目に手術跡などは一切残っていなかった。
男前になったかどうか?の結論は保留し、試合へと話を移そう。

▲フェアプレーデーの期間内でのゲームと言う事で試合前の写真撮影は両チーム合同で行なわれた。

▲フェアプレーデーの期間内でのゲームと言う事で試合前の写真撮影は両チーム合同で行なわれた。

▲オフィシャル席にもロゴを表示。

▲オフィシャル席にもロゴを表示。

▲県協会に届いたばかりのリスペクト旗も掲揚。旗の下に見える円筒形のダクトはエアコン用のそれではなく、単なる送風孔。

▲県協会に届いたばかりのリスペクト旗も掲揚。旗の下に見える円筒形のダクトはエアコン用のそれではなく、単なる送風孔。

 

デリッツィアは試合前のアップで河合がふくらはぎに違和感を感じ急遽、選手登録を外れるアクシデントが発生。
対するエマーソンはこの日も小島が不在。

経験豊富なベテランを一人ずつ欠く両チームの対戦はデリッツィアのキックオフで開始された。

ハーフの守備で受け手立つエマーソンに対し、デリッツィアは前線からのプレスでエマーソンの廻すボールの行き先、行き先へ厳しいプレスを見せる。

先制ゴールはデリッツィア。自陣センターサークル先端付近まで持ち込まれたボールを厳しいプレスで奪った伊藤がそのまま中央をドリブルで駆け上がり一気にゴールを目指す。
やや前掛かりになっていたエマーソンはDF1枚が対応。伊藤はボールを跨ぐフェイントで一瞬ディフェンスの気を惹くと右サイドを並走していた鈴木へ。
フリーでシュートを放った鈴木のボールはゴレイロにはじかれ左サイドへこぼれる。決定機を逸したかに見えたが、伊藤を中心に両翼が連動していたデリッツィアは左サイドから山崎が正確に合わせエマーソンゴールにボールを叩き込んだ。

エマーソンもこのゴールに落ち込むことなく積極的な攻めを見せる。
8分過ぎ、この日元気なプレーを見せた大石からの配球がデリッツィア陣右サイドへ。このスペースに走りこみボールを裁いた山口が、ペナルティーエリアを大きく飛び出し対応しようとしたゴレイロの皆川より一瞬早くシュートを放つとボールは番人を失ったデリッツィアゴールへ向かいピッチを転がる。一旦はファー側のポストに当たりはしたものの跳ね返ったのはゴールの内側。エマーソンが同点に追いついた。

▲その山口は両手を広げベンチにアピール。

▲その山口は両手を広げベンチにアピール。

次のゴールはデリッツィアだった。
先制ゴールの場面でもお膳立てをしていた伊藤が彼らしいボールさばき見せる。エマーソン陣内の中央、ペナルティエリアやや外側でディフェンスを背負った伊藤にいわゆるピヴォ当てのボールが入る。彼らしい独特のボールタッチに複数のエマーソンディフェンスが思わず引き寄せられると、それで出来た右サイドのスペースへやさしく落としのボールを配球。これを鈴木が決め鮮やかな勝越しゴールを完成させた。

▲ゴールを奪った鈴木をアシストした伊藤が祝福。

▲ゴールを奪った鈴木をアシストした伊藤が祝福。

前半をリードして終えたかったデリッツィアだったが、エマーソンの前へ出る意欲の前にまたしても同点ゴールを献上してしまう。
最初の同点ゴールとやや状況は違うものの、スペースへのスピードある攻撃にやはりペナルティーエリアを飛び出しての対応を見せた皆川が相手選手を倒しファールの笛が鳴る。皆川はこのプレーで警告を受けるが、それ以上に2連続で失点に絡んだプレーを悔やんだに違いない。
エマーソン、キッカーは太田。壁に向かって強烈に蹴られたボールが跳ね返り大石の足元へこぼれると、マークの付いていなかった大石はこのボールを落ち着いてそして正確にゴールへ蹴りんだ。

試合は2-2の同点で後半へ折り返す事となった。

この日のゲームはどの試合もそうであったが、会場の暑さと汗で滑りやすくなったピッチが選手たちを苦しめた。特に後半に入ると疲労ともあいまって条件の悪さが動きの悪さへと反映されてしまう選手もいたと思う。

▲ボールパーソンだけでなく役員もモップ掛けを手伝う1日だった。

▲ボールパーソンだけでなく役員もモップ掛けを手伝う1日だった。

豊富な運動量と前線からの厳しいプレスを持ち味とするデリッツィアの選手たちにも少なからずその影響がみられ、後半が始まると相手への対応の一瞬の遅れがファールの笛に結びつく事が多くなった。
そのデリッツィアの最大のピンチは後半31分、この日2枚目のイエローカードで赤堀が退場処分となった場面だ。

この時点でもスコアは2-2のまま。2度同点に追いついているエマーソンにとっては勝越しゴールを奪う願ってもないチャンスだったが・・・。

数的不利な2分間を何とか凌ぎきりたいデリッツィアを救った男は、チームの1点目、2点目で脇役を演じていた伊藤だった。
3人で守るデリッツィアは再開からまもなく、奪ったボールを単純なクリアではなくリスクを犯して相手陣内へ飛び出した伊藤につなぐ。
伊藤はディフェンス3人に囲まれながらも持ち前のキープ力でボールを動かすと強引にシュートまで持ち込んだ。
これが見事に決まり、なんと数的不利なデリッツィアが三たびリードを奪ったのだ。

フィールド3人でのプレーが継続するデリッツィアはさらに1分ほど耐えるが、ここでまたしても皆川が失点にかかわる事になる。

一人多いエマーソンがポゼッションを高めペナルティーエリア内にボールを入れたとき、皆川がエマーソンの新村を倒しPKの判定に。

▲太田のPKが決まり三たび試合は振りだしへ戻った。

▲太田のPKが決まり三たび試合は振りだしへ戻った。

このPKを太田に決められはしたものの、直前に伊藤が奪ったゴールでのアドバンテージでビハインドにならなかった事はデリッツィアにとって大きかったと思う。
さらに幸運だったのは、このプレーが悪質だとはとられず、皆川に2枚目のカードが出されなかった事だ。5人対5人で仕切り直せたことでデリッツィアは落ち着きを失うことなく残りの試合時間に臨めた。

その後の試合展開だが・・・3度目の仕切り直しとなってから約2分が経過、お互いが集中して攻守を繰り返す中、キャプテンの本田からのボールをピヴォの位置で受けた門田が鮮やかな反転シュートを決めもつれた試合に決着をつけた。

▲門田の決勝ゴール直後。本人は一番奥、観客席にやったぜとばかりアピールする横山、さらにアシスト役の本田による三位一体の図。

▲門田の決勝ゴール直後。本人は一番奥、観客席にやったぜとばかりアピールする横山、さらにアシスト役の本田による三位一体の図。

前半にもそこそこシュートは放つものの本来の彼らしさはあまり見られず、主役をチームメイトに譲っていた男が最後に本領を発揮した。

そしてリードを奪ってからの残り約6分間を5ファールに達しながらも凌ぎきったデリッツィアが勝点3を積み上げる事となった。

▲苦しい試合にも結果を出せる底力で今季も独走となってしまうのか?

▲苦しい試合にも結果を出せる底力で今季も独走となってしまうのか?

金星を逃したエマーソンではあるが、走力まかせあるいは太田頼みだけでなく、いくつかの攻撃オプションを身に付け始めていることをこの試合で感じた。

たとえばピヴォを張る太田がワイドに流れ、受けたボールを中央に出来たスペースへ折り返しデリッツィアゴール前を横切るような場面が何度かあった。このボールに他の選手が連動し始めたらさらに対戦相手を苦しめる事が出来るだろう。

また、ターゲットだけと思われがちな太田だがアラからのドリブルの仕掛けそしてパスの場面も何度もあった。自らのフィニッシュに固執せず、走るセットとのコンビネーションが良くなると戦力全体に幅が生まれるし、何よりも全ての技術が高い選手だけにドリブルもパスも相手にとっては脅威な訳で今後、エマーソンと対戦するチームにとって彼への対応はこれまで以上に手を焼く事になるだろう。

もちろんロングフィードを彼めがけて蹴り込むここ一番の太田頼みの攻撃も、引き続きエマーソンの強力な武器に違いはないし、怪我から復帰した大石の元気の良さもチームに力を与えるだろう。

さて、「やっぱり勝った」デリッツィアについてだが、ひとり一人の出来不出来に関わらず、今日のようにどちらに白星が転がっても不思議ではない競り合った試合を「負けなくて良かった」ではなく「勝利」の2文字で終わらせるその底力こそが他のチームにない強さであると改めて感じた。

▲若き指揮官、本田。試合後、自身の出来の悪さを厳しく捉える言葉も出ていたが、それでもキャプテンとして結果を出した事は事実。

▲若き指揮官、本田。試合後、自身の出来の悪さを厳しく捉える言葉も出ていたが、それでもキャプテンとして結果を出した事は事実。

昨季の磐田(昨季はジュビロ磐田)の独走を覚えていらっしゃる方も多いことと思う。

前期リーグ第3節でサムライに引き分けはしたものの、他チーム同士が星をつぶしあう展開に気が付けば勝点差で2位に13点差、得失点差にいたっては他の7チームがマイナスの数字で争う中、ただ1チームが+37と飛び抜けた結果を残した。

その昨季を再現するかのように、上位を狙うチームが星を分け合ったこの第5節。
今年も磐田のヴィクトリーロードが事実上の「東海史上初の連覇」と言う終点に向け着々と延びている事を感じずにはいられなかった。

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