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平成23年1月23日、富士体育館で行なわれた今季の東海女子【第7節】終了後、女子選手たちが熱戦を繰り広げていたピッチでこんな光景が見られた。

かおりおつかれさまありがとう!の演出をしてくれたチームメイトに深く頭を下げる。

かおりおつかれさまありがとう!の演出をしてくれたチームメイトに深く頭を下げる。

試合終了後、仲間達の手で高々と宙に舞った。

試合終了後、仲間達の手で高々と宙に舞った。

「かおりおつかれさまありがとう!」の文字を掲げるチームメイトの前で深く頭を下げている女性、仲間達による胴上げで空高く舞っている女性、どちらも同一人物である。

スタンドからの声援に手を振って返す。

スタンドからの声援に手を振って返す。

夫婦揃ってかなりハイレベルなフットサルプレーヤーだ。

夫婦揃ってかなりハイレベルなフットサルプレーヤーだ。

彼女の名は「曽根田かおり」(旧姓、安部かおり)。
一昨年、Fリーグの湘南ベルマーレでプレーをする曽根田盛将選手(富士市出身、元Frontier所属の男子チームMATO GROSSO在籍)と入籍した女性だ。

Frontier FCは静岡県富士市に拠点を置く全国屈指の強豪女子フットサルチームだ。

平成20年の第5回全日本女子フットサル選手権では地元静岡エコパアリーナで行われた全国大会の舞台に進出、その年優勝したFUN Ladiesに敗れはしたが予選リーグでは2勝をあげた。
このシーズンの東海女子では見事初優勝を果たしている。

翌年の第6回全日本女子フットサル選手権でも全国大会へ進み、やはり予選リーグ2勝、関東の強豪カフリンガを倒す活躍を見せた。

もちろんご紹介した年以外にも、公式戦、民間大会を問わず全国の舞台へはたびたび駒を進め、特に民間大会に限って言えば全国制覇の経験も豊富なチームなのだ。

常に全国の舞台を視野に入れて活動を行っているチームだが、今季の全日本女子では静岡県予選で破れ、その階段に足を踏み出す事すら出来なかった。

それだけに残されたもう一つの大きなタイトル、東海女子フットサルリーグ制覇は「今季限り!」を決心していた彼女にとって、いや、そればかりではなくチームメイトの誰もが必ずや掴み取りたいと心の底から願っていたに違いない。

今季、どのチームよりも早く開幕戦に登場したFrontier FCは、新戦力が加入したROVERS LADIESを相手に苦しみながらも4-2で勝利し、シーズンのスタートを切った。

【第1節】を戦い終えた瞬間のFrontier FC。勝つには勝ったが・・・選手の表情に笑顔は無かった。

【第1節】を戦い終えた瞬間のFrontier FC。勝つには勝ったが・・・選手の表情に笑顔は無かった。

Frontier FCは【第2節】の一週間前に行われた全日本選手権静岡県大会の決勝でgolrira shizuokaに敗れそのモチベーションが心配されたが、しっかり気持ちを切り替え3-1でFALCO Ladiesを退けた。

【第3節】での大洋薬品/BANFF戦を5-1で勝ち、開幕3連勝で連覇を狙うギャングレディースとの対戦を迎えることとなる。
その【第4節】、2度までもリードを許す苦しい展開だったが、終了間際の逆転ゴールで3-2と激闘を制しタイトルへ向け一歩リードを得た。

【第6節】vs 蹴球小娘でのワンシーン。中心選手が故に相手ディフェンスのハードヒットを受けることもたびたび。

【第6節】vs 蹴球小娘でのワンシーン。中心選手が故に相手ディフェンスのハードヒットを受けることもたびたび。

【第5節】vs samurai ladies、【第6節】vs 蹴球小娘、と危なげなく勝ち星を重ね迎えた【第7節/最終節】。
スケジュールの妙とも言うべきか、Frontier FCにとって今季の優勝を決める大一番はチームの地元、富士市で行われるのだ。対戦相手は全日本選手権の決勝で敗れているgolrira shizuoka。

Frontier FC vs golrira shizuokaの試合から。中央をドリブル突破するFrontier FCの川添沙緒莉(3)。若い世代も着実に成長している。

Frontier FC vs golrira shizuokaの試合から。中央をドリブル突破するFrontier FCの川添沙緒莉(3)。若い世代も着実に成長している。

Frontier FC vs golrira shizuokaの試合から。Frontier FCの宮本知実(5)とgolrira shizuokaの青山実苗(7)。2人とも小柄なプレーヤーだが切れ味鋭いプレーが持ち味。共に今季の静岡県選抜選手だ。

Frontier FC vs golrira shizuokaの試合から。Frontier FCの宮本知実(5)とgolrira shizuokaの青山実苗(7)。2人とも小柄なプレーヤーだが切れ味鋭いプレーが持ち味。共に今季の静岡県選抜選手だ。

Frontier FC vs golrira shizuokaの試合から。golrira shizuokaの松島千佳(3)はこの日一旦同点に追いつくゴールを決めた。その1点で今季の東海女子の得点王のタイトルをギャングレディースの森本選手と分け合うこととなった。

Frontier FC vs golrira shizuokaの試合から。golrira shizuokaの松島千佳(3)はこの日一旦同点に追いつくゴールを決めた。その1点で今季の東海女子の得点王のタイトルをギャングレディースの森本選手と分け合うこととなった。

Frontier FC vs golrira shizuokaの試合から。golrira shizuoka今季のキャプテンを務めた斎藤希(10)。奥に写るのはFrontier FCのキャプテン、小林千春(4)。

Frontier FC vs golrira shizuokaの試合から。golrira shizuoka今季のキャプテンを務めた斎藤希(10)。奥に写るのはFrontier FCのキャプテン、小林千春(4)。

Frontier FC vs golrira shizuokaの試合から。観客席からはFrontier FCのレプリカユニフォームを着た多くのサポーターが大きな声援をピッチに送った。

Frontier FC vs golrira shizuokaの試合から。観客席からはFrontier FCのレプリカユニフォームを着た多くのサポーターが大きな声援をピッチに送った。

会場には応援ユニフォームを身にまとった多くのサポーターが駆けつけた。
試合は、その大きな声援に後押しされたFrontier FCが最終的に2-1のスコアで勝利した。

そんな応援団の中に、彼女の母親の姿もあった。

昨年12月23日、静岡県選抜の一員としてプレーした東海女子選抜大会で、彼女は足首を捻挫する怪我を負ってしまった。
静岡地区の選手を引率していた筆者が最後に送り届ける事になったのが彼女だ。

昨年12月の東海女子選抜でのワンシーン。

昨年12月の東海女子選抜でのワンシーン。

彼女の実家はケーキ屋さんを営んでいる。時期も時期、1年のうちに最も忙しいクリスマス・イヴを控え、家族総出で準備をしている家業の手伝いのため、自宅ではなくお店の裏の作業場の出入口まで送って欲しいと彼女は申し出た。

1日に3試合のハードワーク、そして怪我をした足にはアイシングが固定され、さらに大きなボストンバッグを背負った彼女が筆者の車を降りたのは夜の10時に近かったと思う。

後にお店を訪ねた際、「お店にとっても忙しい時期だったのに、試合に参加させていただいたばかりか、怪我までさせてしまい申し訳ありませんでした。」とお母さんにお話をさせていただいた。
「足を引きずってましたけどね・・・(フットサルは)好きでやっている事ですから。」と笑顔で答えて頂き、ちょっとだけホッとした記憶がある。

そんな彼女を一言で言い表すなら、月並みな言い方ではあるが「人一倍の頑張り屋」だと思う。

Frontier FCが今季の【第4節】で対戦した三重県のmember of the gang ladiesは東海地域が全国に誇る女子フットサルチームだ。昨年11月の全日本選手権では全国第3位に輝いている。
このチーム、ここだけの話(にはならないですね・・・)オーバー35でもチームが編成出来てしまうほどのベテラン揃い(←失礼!)ではあるが、驚異的とも思える運動量、スピードを兼ね備えた選手達の集まりだ。

そのギャングの主力たちについて、彼女からこんな話を聞いたことがある。

「私がLリーグの世界に入った頃から、バリバリに活躍していた世代の人たち。どれほどの練習を積み上げてきているのか、どれだけタフな精神力が必要だったのか、よく知っています。そんな中でプレーを続けていた森本さん(ギャングのメンバー、元女子サッカー日本代表)たちが今でもあれだけできるのは当たり前だと思いますよ。」と、サラッと言った。(※彼女は中学時代にLリーグの世界へ飛び込んだ。)

今季ギャングレディースのキャプテンを務めた森本ゆう子選手。Lリーグ時代には日本代表としてのプレー経験を持つ。今シーズンの得点王をgolrira shizuokaの松島選手と分け合った。

今季ギャングレディースのキャプテンを務めた森本ゆう子選手。Lリーグ時代には日本代表としてのプレー経験を持つ。今シーズンの得点王をgolrira shizuokaの松島選手と分け合った。

もちろん彼女が所属していたチームにも、半田悦子、木岡二葉といった当時の日本の女子サッカー界を引っ張っていたスーパーなプレーヤーが在籍していた。
そんな選手たちを見ながらサッカーを始め、同じチームで練習や試合を行って来た彼女にしてみれば、「まだまだやれる!」との気持ちも強くあるだろう。

だが彼女は選手として最前線でプレーする事から身を引く決心をした。その理由を詮索するなんて野暮な事はしない。ただ、幸せな家庭を築いて欲しいと思う。

そんな彼女の最後の1年だったわけで、今季の東海女子制覇について心から「おめでとう!」とあらためて伝えたい。

引退と言えばそうなのかもしれないが、これからもFrontier FCとの関わりは大いに有り得るだろうし、若い力の育成に力を尽くすのではないだろうか。

そして彼女にとって(おそらく)最後となるであろう全国を舞台とした戦い「トリムカップ2011」が今月末に控えている。

今年度のトリムカップ公式ポスター。左上、ピンクのユニフォームが曽根田かおり(5)。

今年度のトリムカップ公式ポスター。左上、ピンクのユニフォームが曽根田かおり(5)。

選抜関係者としては、もちろん彼女の最高のパフォーマンスを期待してはいるが、静岡の、そして東海の女子フットサルを牽引してきた彼女のために、思い切り楽しめる別の(試合の)舞台を用意してあげたいとも思う。

男子も女子もサッカー王国として自他共に認められてきた静岡県だが、他のサッカーで強豪と呼ばれる都道府県に比べ、特に女子について「サッカー←→フットサル」の選手の行き来の少なさは少々気掛かりな事でもある。

選手にとっても指導者にとっても、その垣根を乗り越えるのに覚悟も決断も勇気も要らないと思っている。
年齢や時期も問わず、ただ純粋に蹴球を楽しみたい!そのことだけで充分ではないか!?

今回ご紹介させていただいた、安部かおり(←旧姓さらに呼び捨てで申し訳ありません。)のような、どちらのカテゴリーでも能力を発揮してくれる、そんな新しい力の出現を心から望む筆者である。

今季の東海女子を見事全勝で制したFrontier FC。チームは4月3日(日)にセレクションを予定しているそうだ。

今季の東海女子を見事全勝で制したFrontier FC。チームは4月3日(日)にセレクションを予定しているそうだ。

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