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ウイダーFリーグ第21節アグレミーナ浜松対シュライカー大阪が11月15日に浜松アリーナで行われた。

前期わずか1勝で最下位、後期を迎え2敗で2試合未勝利のアグレミーナ浜松だが保田監督が就任してから徐々に「変化」が現れてきている。

ホーム初采配でのホーム初勝利という最高の結果を得るべくリーグ屈指の強豪シュライカー大阪に挑んだ。

対するシュライカー大阪は前期を好成績の2位で終えたが、後期に入ってからは1分1敗で2試合未勝利。

ここ数試合は怪我人の影響もあり経験の少ない若手選手の出場機会が増えざるを得ない状態だったが、徐々にチームコンディションは上がってきていた。

松宮は約2ヶ月ぶり、永井は約3ヶ月ぶりの公式戦出場となった。

プレーオフ進出に向け波に乗るべく、後期初勝利を奪いに浜松に乗り込んだ。

残念ながらDELIZIA磐田出身の本田は怪我でこの試合に帯同していなかった。

 

三輪が不在のアグレミーナ浜松は曽根田がキャプテンマークを巻いた。

DELIZIA磐田出身の本田は残念ながら怪我により欠場。

 

浜松のスタメンは赤窄(GK)、剣持、曽根田、中島(千)、田中。

大阪のスタメンは宮竹(GK)、永井、ヴィニシウス、一木、瀬戸。

キックオフから早々に浜松の守備に変化が見えた。

大阪がサイドへボールを運ぶと浜松のアラは積極的にプレッシングをかけて自陣の危険なエリアで仕事をさせない。

試合後、浜松保田監督は「守備の時に両サイドのアラの位置が低く、アプローチが遅れてやられてしまっていた課題を修正した。」と説明してくれたようにまずはポジティブな守備の変化が見られた。

剣持の配給力や曽根田のキープ力でボールを保持し、ゴール前まで進入するシーンも何度かあった。

 

ファーストセットの核となる曽根田。鋭いドリブルは浜松の武器の1つだ。

 

そして浜松は3分が経過したところでセカンドセットの向島、萩原、松本、蓮池がピッチイン。

ここである事に気づいたのだが、この4選手は東海地区で長年活動しチームの母体となった田原FC出身である。

筆者が「田原FCセット」と勝手にネーミングしたこのセットは長年一緒のチームでやってきた4選手のコンビネーションの良さを保田監督が評価したものと感じた。

ファーストセット同様にアグレッシブな守備をみせ、ボール回しにも徐々にリズムが生まれ始める。

対する大阪はヴィニシウスを中心にシュートまでいく機会を増やしていくが最後のところで浜松が体を張って失点を許さない。

ヘドンドなどのオーソドックスなパス回しもこの4選手はコンビネーションが良く素早いタッチでボールが周り松本→萩原がシュート放つなど惜しいシーンが続く。

また大阪のプレスが激しい場面でもアドリブが効いたパスワークでボールを失わずに打開する場面も見られた。

そして前半5分、萩原から展開されたパスを受けた松本が左サイドからシュート。

大阪GK宮竹が弾いたボールをゴール前に詰めていた蓮池がダイレクトで流し込み価千金の先制点を奪う。

 

蓮池が決めた先制点は松本の積極的なシュートがもたらした。

前半、積極的にゴール前に顔を出した蓮池。

 

試合後、大阪ドゥダ監督は「先制点を奪われて改めてこのゲームは簡単じゃないと思った。なので全員で戦う事が大事だった。」と話した。

中島(千)から笠井を入れ替えたファーストセットでも剣持を中心としたパスワークの中で曽根田がGKとの1対1の場面や笠井が積極的にシュートを放つなど惜しい場面が続く。

 

数的有利のチャンスを惜しくも決めきれず天を仰ぐ曽根田。

 

大阪はフィジカルの強さを生かした攻勢でリズムを掴んでいくがゴール前で得たFKがポストに当たるなどここまでの展開はツキは浜松にあった。

GKの宮竹は時折パワープレーに近い形で前線にポジションを上げ、リスクを冒して早々の同点弾を狙いにいく。

厚みのある攻撃を繰り返す大阪はゴール前の混戦から中央にいたヴィニシウスがゴール右に突き刺し同点とする。

 

大阪はヴィ二シウスを攻撃の中心に攻勢をかける。

 

ここから浜松にCKの回数が増えるが大阪の激しいシュートブロックに得点を奪うまでには至らない。

15分、大阪は右サイドから崩しにかかり小林が中央に送ったクロスパスが不運にも帰陣していた浜松田中に当たりオウンゴール。

大阪がアグレッシブな攻撃で浜松ゴールをこじ開けて逆転する。

ここで浜松保田監督はGKを赤窄から怪我から復帰し復調してきた山本にスイッチする。

 

途中出場にも安定したパフォーマンスを見せた山本。

 

試合後、浜松保田監督は「赤窄はミスを理由に下げたわけではないです。2失点してしまい少し平面的になっていたのとコーチングの問題でした。」とコメント。

ピッチインした山本は際どいコースのシュートにも俊敏に反応し何度かピンチを救った。

ここまま引き離されていく印象が強い浜松だったがその「変化」をここでも感じる事になる。

先制点を奪ったセカンドセット「田原FCセット」が再び輝きを見せる。

萩原が左サイドからのシュート性のパスがファーサイドに詰めていた蓮池に向かうが大阪の選手に触れて軌道が変わり、ゴール前に詰めていた向島がこのボールをダイレクトでゴールに押し込み同点。

 

同点ゴールを決めた向島がサポーターへ人差し指を向ける。

 

前半で追いつくという部分は保田監督の細かい采配がもたらしたものと言えるだろう。

ファーストセットに戻ると曽根田を中心に大阪ゴールへ向かってアグレッシブな攻撃を見せる。

 

隙があれば最後尾から正確なロングキックを配給する剣持。またミドルシュートも積極的に狙っていた。

 

剣持は予測能力が高く絶妙なカバーリングで前半数多くのピンチを救った。

前半終了間際には大阪が高い位置でキックインを獲得。

すかさずドゥダ監督はタイムアウトを取ってセットプレーの指示をするが、この場面も浜松が守りきって前半を2-2で折り返す。

会場に駆けつけた浜松のサポーター、関係者が「勝利する予感」が予感で終わらないと思わせるには十分過ぎるほどの前半の試合内容だった。

 

気迫の込もった曽根田のプレーは味方選手にも良い影響をもたらしチームの士気を高めていた。

 

後半、浜松はキックオフとGKのみ変わって山本(GK)、剣持、曽根田、中島(千)、田中でスタートする。

3分の大阪片山のシュートはポストをかすめ、その直後のヴィニシウスのシュートもギリギリで枠を外れるなど浜松のアグレッシブな守備がツキも引き寄せている印象がまだ続いていた。

再びセカンドセット「田原FCセット」になると松本、向島らが惜しいシュートを放ち、大阪の裏へのロングボールも山本が絶妙な飛び出しを見せ一進一退の攻防が続く。

 

セカンドセットの一角を担った萩原。

 

浜松はファーストセットに笠井と内野を組み込み相手に的を絞らせない選手交代で勝ち越し点を狙いにいくが得点には至らない。

11分には浜松田中にイエローカード。

しかしこのファウルは数的不利になるピンチを救った勝ち気なプレーとも評価出来るプレーだった。

12分には浜松が5ファウル。

13分のセットプレーのチャンスでは保田監督が素早くタイムアウトを取って指示を出すが惜しくも得点にはならず。

大阪のCKのサインプレーからブラインドになった状態の低く速いシュートがゴールへ向かったが山本が左足の俊敏な反応でビックセーブを見せる。

しかし15分、バックパスからボールを受けた山本が右サイドに位置した蓮池にパスを出すが、少しコンビネーションが合わず大阪永井がその隙を見逃さずボールを奪取。

そのまま駆け上がった永井がゴール前に制度の高いパスを通し、ファーサイドのヴィニシウスが押し込み大阪が勝ち越し弾を決めて再び逆転。

 

ほんの少しのズレで失点をしてしまった浜松。大阪は試合のツボをしっかり押さえた形となった。

 

粘り強い守備を見せていた浜松だったがほんの少しの連携のズレが招いた痛い失点となってしまった。

続く18分には大阪に第2PKを与えてしまうが山本のセーブで追加点は許さない。

 

ゴール前にFKのチャンスに剣持が狙うもGKに阻まれる。

 

残り時間が少なくなった状態でも浜松は勝ち点を奪うべく笠井、剣持、曽根田、田中のフィニッシャーを揃える布陣で最後まで気迫溢れるプレーで攻め続けたが無情にもタイムアップとなり大阪が3-2で後期初勝利を手にした。

 

どんな試合展開にも最後まで声援を送り続けた浜松サポーター。

試合後、記者会見での保田監督と曽根田主将。

 

▼試合後の記者会見でのコメント

 

アグレミーナ浜松/保田監督

「攻守共に完成度はまだまだですが良くなってきています。守備ではアプローチの仕方など成果もありました。しかし何より結果が大事なので、良い試合をしても自分達のミスでの失点は無くしてしっかり勝ちきりたいです。アグレミーナはホームでの勝利が1年半無かったので今日は勝ち星を取りたかったです。」

「攻撃ではもっと意図と勇気を持って相手の懐に入っていくようにしていきたいです。今後は真剣さの中にもテンションをもっと上げて盛り上げて、いい意味で余裕を持って戦っていきたいと思います。」

 

アグレミーナ浜松/曽根田選手(C)

「簡単なミスを無くせば勝てる試合も増えてくるはずなので練習でしっかり修正していきたいです。監督のフットサルを継続的に表現していけば結果はついてくると感じています。本当に勝ちたい試合だったので守備から激しくいけばチーム全体の集中力が高まると思い最初から守備の激しさは意識していました。攻撃でもチャンスは増えてきていますがゴールを決めないと駄目です。3-1などの場面もあって決めれなかったのでそこが勝負の分かれ目でした。今日の試合は主将としてチームの一体感を意識してやりました。三輪選手の欠場が大きかったのはありますが、ここからは一緒に助け合ってチーム一丸となるようにしていきたいです。」

 

シュライカー大阪/ドゥダ監督

「コンディションの問題がいろいろあって松宮も2ヶ月ぶりに復帰したばかりでした。村上や林の怪我もあり若い選手を使っていますが、今日の試合は今の段階でのベストが出せたと思います。先制点を奪われてプラン変更になりましたがこの勝利をきっかけにこれから良いフットサルが出来ると思います。」

「ヴィニシウスは特徴的な選手ではありますがこのチームはそれぞれの選手のスタイルを活かしてやっています。攻撃力がある選手でも守備も頑張るように求めています。」

 

シュライカー大阪/一木選手(C)

「どちらもとにかく勝利が欲しかった中でチーム全員で戦って勝利する事が出来ました。久しぶり勝利に嬉しさがあります。ここから新たなスタートとして次のセントラルの2試合が大事になってきますので気持ちを入れてしっかり戦いたいと思います。」

 

 

惜しくも浜松は保田監督の初勝利&ホーム初勝利を逃してしまったが良い試合をするだけではなく勝利を手にしたいという気迫は強く感じられる試合内容だった。

その勝利を手にするために保田監督がもたらす「変化」は着実にチーム内に浸透してきている事も実感出来た。

就任から間もない保田監督がこの3試合で見せた即効性のある戦術・戦略はその日がすぐそこに来ていると大きな期待を持たせてくれるものだった。

またそれを体現する選手達のパフォーマンスも向上しているのも好材料。

「変化」から「完成」へ。

「リーグ内上位進出」へ。

そう遠くは感じないその日を焦らず待ってもいいのではないだろうか。

 

●アグレミーナ浜松  2-3  シュライカー大阪

5分 蓮池(浜松) 1-0
9分 ヴィニシウス(大阪) 1-1
15分 OG(大阪) 1-2
19分 向島(浜松) 2-2
36分 ヴィニシウス(大阪) 2-3

写真・レポート:奥山泰博

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