選抜ユニフォームサプライヤー
デスポルチ
デスポルチ

連盟スポンサー
デスポルチ
デスポルチ

ミカサ
(株)ミカサ

宝くじのマスミ
宝くじのマスミ

■ カテゴリー
■ アーカイブ

 10月2日午前にエコパアリーナで行われたフットサル日本代表のトレーニングを見てきた。代表候補メンバー入りした三浦知良選手がもたらす「カズ効果」については、すでにさまざまなメディアで報じられている。今回の取材目的の一つは、筆者個人としてそれを体感することだった。

 

今回のトレーニングキャンプに参加した全選手。

 

 いつものトレーニングならフラッと入ることのできるエコパアリーナだが、今回は取材受付が設けられ、ワッペンの貼付を義務付けられた。取材陣は地元テレビ局や地元紙、スポーツ紙など約50人といったところか。筆者と県連盟I氏、フットサルナビのカメラマンH氏といった組み合わせが通例の静岡合宿とは、完全に様変わりだ。
 取材陣の中にはNHK「ニュースウォッチ9」の大越健介キャスターの顔もあった。公共放送の「夜9時の顔」がフットサル日本代表の練習を見に来ている。今回のプロジェクトが世間に与えたインパクトの大きさを、あらためて実感した。

 

入閣したばかりの田中真紀子文部科学相いわく「日本で一番有名な方」の大越キャスター。

 

 アリーナ入口付近からピッチまで、選手の導線が設けられている。午前9時過ぎに到着したバスから選手、スタッフが次々おりてくる。想像以上にリラックスした表情だ。大勢のオーディエンスや報道陣に戸惑いがあるかと思いきや、そうした「変化」には先週の名古屋合宿を経てすっかり対応済みなのか。生き生きとした表情が印象的だった。

 

バスから最初に降り立ったのはミゲル・ロドリゴ代表監督だった。

最後に姿を見せた三浦知良選手。約束どおり?会場入りした北澤豪FリーグCOO補佐とがっちり握手。

 

 練習開始前に集合写真撮影の時間が設けられる。4~5列に並ぶカメラの放列。15mか20mか。かなり距離をあけて列を作る日本代表選手たち。日本サッカー協会広報担当から姿勢や表情について細かな注文が付く。注目の三浦は後列左端に立った。前列の木暮賢一郎や小森隆弘コーチと談笑する場面も見られた。

 

集合写真の撮影を別アングルから。

 

 トレーニングのメニューは「いつもどおり」である。ストレッチ後、遊びの要素を取り入れたアップ。今日は手つなぎで2人1組を作り、ハーフピッチで鬼ごっこをした。三浦とコンビを組んだのは星翔太。大声を上げながら追いつ追われつする選手たち。このリラックスしたムード、普段サッカーを取材しているメディアにはどう映っただろう。そんな思いを巡らせながらピッチを見つめた。

 

アップメニューの2人組み鬼ごっこから。キングKAZUのパートナーは星翔太選手だった。

 
 5対3のボール回しを経て、ゲーム形式の練習。午前のセッションではカウンターを禁じ、ボール奪取後はいったん自チームのゴレイロにボールを戻すルールだった。DFはハーフから押し上げるよう、指示が出た。前からのプレスと速攻は、午後のセッションで行うようだ。

 

 セット分けは以下の通り。左足にサポーターを巻いた稲葉は別メニューだった。
A)三浦、小宮山、逸見、星、冨金原
B)村上、小曽戸、北原、森岡、川原
C)滝田、高橋、木暮、仁部屋、藤原

 

 注目の三浦に対してはミゲル・ロドリゴ監督から「アラからプレーしよう」という声が飛んだ。メンバー全員に「DFの間にポジションを取ること」が伝えられる。「最初からピヴォに入れるとプレッシャーをかけられて終わってしまう」。ブラジル戦を想定した指示が送られる。

 

試合形式での練習メニューから。注目の二人がマッチアップ。

 

 実戦形式の練習を見ていて印象に残ったのは、三浦を「フットサル選手」に「改造」することへのスタッフの「本気度」の高さだ。ピッチ内ではミゲル監督が(どの選手に対してもそうだが)細かくポジションを指定する。CKでニアを切る壁になるシーンでは、膝立ちのフォームを手の位置まで修正していた。三浦はそのいちいちに対して、真摯に耳を傾ける。ゴレイロ冨金原に自らのフォームへの意見を求める場面も見られた。

 

セットプレー(コーナーキック)でのディフェンスシーン。

 

 ピッチ外では、在原正明コーチがほぼマンツーマンでレクチャー。「主にディフェンスのステップワークについて。状況が不利にならないためにはどういう準備をしていけばいいのか、というのをお互いにすり合わせた」(在原コーチ)という。
 

 

ベンチ脇で在原コーチの通訳に耳を傾ける。

 
 トラップや、パスを受ける予備動作などは明らかにサッカー選手のそれ。ダイアゴナルに走っても、なかなか思い通りのタイミングでパスが出てこない。アラでスタートしたはずが、ゲームが進むにつれ前線で孤立する場面も目立った。スクリーンに来た選手をそのままフリーにしてしまうなど、DFの面でも未整備の部分は多い。

 

 だが、名古屋合宿を見た数人のジャーナリストによれば、「1週間前とはスピードが全然違う」という。この日の練習でも、フットサル特有のタッチ数の少ないボール回しに慣れようとする気持ちが感じられた。サッカーとは使う筋肉も違うだろう。きつそうなメニューに謙虚な姿勢で取り組む「キングカズ」の姿勢には非常に感銘を受けた。

 

 選手間のコミュニケーションについても「1回目の合宿に比べたら(コミュニケーションの質が)ぜんぜん違う」(村上哲哉)という。星翔太は、代表チームを取り巻く環境の変化について「カズさんの効果を実感している。今後もこれが続くようにするのが僕らの役目」と話した。

 

 ミゲル監督就任後、初の合宿となった2009年6月以後、フットサル日本代表はエコパアリーナで数多くのトレーニングを行った。特に発足から1年間は、ほぼ毎月といってもいいほどのハイペースだった。日本サッカー協会の発表によれば、今回のW杯前に静岡でトレーニングするのは今回が最後となる。手前味噌で非常に恐縮だが、筆者のこれまでの日本代表レポートをいくつかご紹介したい。

 

 静岡県で産声を上げた「ミゲル・ジャパン」のW杯での大活躍を祈る!

 

ロドリゴ・ジャパン始動!(2009年6月6日 フットサルタイムズ)
http://www.futsal-times.com/news_body.php?id=17514

「U-24日本代表」初召集!(2009年6月13日 フットサルタイムズ)
http://www.futsal-times.com/news_body.php?id=17595

中国遠征帰国後の初合宿(2009年7月6日 フットサルタイムズ)
http://www.futsal-times.com/news_body.php?id=17887

フレッシュな顔ぶれがはつらつプレー(2009年10月9日 フットサルタイムズ) 
http://www.futsal-times.com/news_body.php?id=19259

若手とベテラン「融合」への第一歩(2009年12月17日 フットサルタイムズ)
http://www.futsal-times.com/news_body.php?id=20169

フットサル日本代表小森隆弘コーチ兼通訳インタビュー(2009年2月10日 フットサルネット)
http://www.futsalnet.com/fn2009/2010/02/topics-017291.php

ミゲル監督不在の緊急事態(2010年4月23日 フットサルタイムズ)
http://www.futsal-times.com/news_body.php?id=22037

2年目のミゲル・ジャパンは「攻撃」に着手(2010年10月7日 フットサルタイムズ)
http://www.futsal-times.com/news_body.php?id=24607

 

 

※テキスト:橋爪 充
※写真:橋爪 充、フットデ静岡
※なお写真へのキャプションはフットデ静岡にて入れさせて頂きました。

コメントの投稿はできません。